基礎工事が着々と進み、とうとう鉄筋が入ってきた。その鉄筋のチェックを、コンクリートを流し込む前に行うのだが、基礎監督のEさんから立ち会うかどうかを聞かれたので、行ってみることにした。なかなか見る機会がないものなので、いくつか写真も撮ってきた。
変化が激しい現場
朝10時前に現場に到着。ガス工事の方が来ていて、ガス管の作業を行っていた。コンクリートを流す前に管を通しておかないと、通せなくなってしまうからだ。現場の変化は激しく、1週間前は土を掘り返していたのに、もう鉄筋が並んでいる。
しばらくしてEさんがやってきた。初顔合わせなので名刺を頂き、挨拶を済ませる。配筋検査の前にいろいろとお話を聞いた。とりあえずココまでの作業は順調らしい。
鉄筋を良く見ると、所々にピンク色の印があった。この印の位置にアンカーボルトという、建物の土台と基礎をつなぐボルトを取り付けるそうだ。これが実に70箇所以上もあり、この数が合っているかも検査の対象となっているらしい。確かにこれが足りなかったり、適切に取り付けられなければ、地震などで建てもが揺れたときにそのまま倒れてしまう。基礎と建物をつなぐ重要なパーツは、小さな我が家でもこれくらい必要なのだ。
何か聞きたいことがあるかとEさん。さっきから気になっている、このギアのようなものは何か聞いてみた。これはスペーサーでドーナツ型をしている。真ん中に穴があり、そこに鉄筋が通っている。スペーサーの直径はちょうど流し込むコンクリートの厚さと同じになっている。このスペーサーを取り付けておけば、コンクリートを流し込んでも必ず鉄筋が中央になる。コンクリートが適切な厚さでも、中の鉄筋が寄っていては意味が無い。でもコンクリートを流し込めば、その重みでどうしても鉄筋が動いてしまう。それをきちんと制御するために必要ということだった。
これもスペーサーだ。これは鉄筋の下に取り付けられていて、同じく鉄筋が適切な高さに保てるようになっている。こういった知識は全くといってないので、非常に勉強になった。このスペーサーは、一条工務店でビニールやプラのゴミを再利用して作っているらしい。時々色が少し違うスペーサーもあった。こういう細かいところも抜かりがない。
土地の表面は・・・
Eさんが配筋検査をしている間、私はいろいろ観察することにした。鉄筋を見ると、およその部屋割りが見えてくる。ここが和室で、押入れは大きいなとか、クローゼットはあの辺りとか。地鎮祭のときに心配になるほど狭い家が、少し大きく見えるのだから不思議だ。Eさんも、建物ができると、さらに壁紙が付くとより大きく見えますよと話してくれた。玄関も地縄のときと比べて広く見える。これは上棟がますます楽しみだ。
これは、基礎の外側。地面の断面が見えたので写真を撮った。下のほうは土なのだが、明らかに表面は違う。手に取ると、石でもコンクリートでもない何か「瓦礫」のようなものが固められていた。手で簡単に割れる。いろんな現場で出た瓦礫などを砕いて固めて、別の現場に撒いているのだろうか。残土処理に引っかかるようなら、文句を言うことができるだろう。地面を掘っていた職人さんも言ってたし。Tさんに以前確認しているので、そのような追加費用はないはずだが。
30分ほどで検査が終わった。全体的によく仕上がっているとのことだ。ピンクのマーカーがいくつか足りないのと、補強が必要な箇所が1つあったらしく、すぐに修正してもらいますとのことだった。
Eさんは基礎の監督で、上棟からは別のHさんに代わる。「なかなか基礎に興味を持ってくれる方って少ないんですよ」と寂しそうに言っていたのが印象に残っている。確かに基礎は建物よりは地味だ。鉄筋が無数に並んでいる様子をチェックし、完了しました!と報告してもたいした反応は無いらしい。
でも、「基礎」の名のとおり、私はここがかなり重要であると思っている。全く知識のない素人だが、基礎がしっかりしていなければ、その上にどんな立派な建物が建っても意味がないと思っている。楽器もしかり、スポーツもしかり、基礎ほど大事なものは無いと思っている。
Eさんは今後も動きがあれば随時連絡するとおっしゃってくれた。そろそろフィリピンから部材が出発して、今頃船の上だと思います、とも言っていた。上棟が始まると3日ほどで屋根までできるらしい。いよいよ建物も見ることができそうだ。その前にコンクリートが流し込まれた基礎を見ることができればと思う。