学校では教えてくれない家づくりの流れ。私もよくわからないままスタートし、自分なりに調べながらも結局はわからないままここまで来てしまっている。
書店でもインターネットでもたくさんの情報があるので、調べようと思えばいくらでも調べることができる。大量の情報があるにも関わらずなかなか調べが進まないのはどうしてなのだろう。家を建てようとしている自分にとって、最も興味のある内容にも関わらずだ。結局はその「大量の情報」が邪魔しているのであろう。
情報は多ければ多いほどいいとは限らない。多ければ多いほど取捨選択をする量も増えるからだ。自分にとって重要で必要な情報がどれなのかを吟味しなければならない。余計な部分に労力を取られるために調べが進まなくなるのだ。そんな思いをしているのは何も私だけではないはずだ。人生で一番の高額出費でありながら、不安を残したままの購入というのは何とも恐ろしいもの。何かの足しになればと、我が家の家づくりの軌跡を紹介していく。
この家づくりの流れについて大まかな流れを前回(265.家づくりの流れ)書いたので、そちらも参照いただければと思う。
ステップ1-予算や間取りなどの計画を立てる
家づくりの流れはおおよそ次の5つのステップに分けられるだろう。
- 予算や間取りなどの計画を立てる
- 土地やハウスメーカーなどを探す
- 設計と工事の依頼
- 着工と家具選び
- 完成と入居後
今回はステップ1である「予算や間取りなどの計画を立てる」について我が家の家づくりと照らし合わせながら書いていこうと思う。当然ながらあくまで我が家の例であり、一般的な家づくりとは少し違う部分もあるだろう。加えて2年以上前のことなので記憶も薄れてきている。その部分はご了承いただきたい。
何事も物事を始めるには計画が大事だ。家づくりは金額的にも規模的にも非常に大きいのでしっかりした計画が必要になる。ただ、大体の人が初めて家づくりをするのにちゃんとした予算や間取りを計画するのは難しいと思う。我が家もかなり漠然とした状態、ほぼ無計画の状態からスタートしたことが、このブログの最初の方の記事(2.予算の見積もり)でもうかがえる。
何事もプロが一番
結論から言って、計画の時点からプロに相談するのが一番である。間取りについてある程度の希望はあるだろう。だが予算についての計画を立てるのは何も知らない素人がほいっと簡単にできることではないと思う。漠然とした計画すら立てられないというのが私の感想である。
予算は安ければ安いほどいい。現実的にいくらまでなら大丈夫かという質問に答える術を持っていない。今の家賃がいくらで家庭の収入がいくらで、今後かかるであろうお金がこれくらいで・・・と考えていってもどこかで必ず「予測できない部分」が出てくる。私が知らない出費も今後発生するかもしれない。少なくとも家づくりに関する出費は家づくりのプロに聞くのが一番だろう。だからあれこれ考えるよりも先に展示場に行ったのが、我が家にとって結果的によかったと思っている。
我が家は土地の見当もつけず、間取りも決めず、予算も決めず、建物の広さも決めず、ただ何となく「こんなのがあったらいいな」くらいの条件を持った状態で展示場に行った。行く展示場にどんなハウスメーカーがあるか、そして大まかなハウスメーカーごとの特徴や価格帯を下調べをして、何となくの順位付けをしていった。展示場に行くとはいえ、すべてのハウスメーカーを回るのはなかなか大変だし、ある程度絞っておく必要はあると思う。我が家は気密性と断熱性の高さ、地震に強い、価格帯などから一条工務店を1番とした。
計画に必要な物
計画するにあたって必要な物とはなんだろうか。最も重要なものは「自分たちの意見」である。家を建てるうえで、予算にしろ間取りにしろ自分たちの希望があるはずだ。予算に至っては「安いに越したことはない」程度でもとりあえずは何とかなるだろう。間取りや家の設備などの希望を家族で話し合い、紙に書きだしておくといいと思う。ちなみに我が家が当初考えていた家に対する希望は次のとおりである。
- 楽器を演奏するための防音室が欲しい
- 小さくてもいいから、家庭菜園が出来る庭が欲しい
- 年中快適であってほしい
- 2階建てで、どちらにもトイレは欲しい
- キッチンはカウンターかアイランドがいい
- 少なくとも今住んでる賃貸よりは広いLDKが欲しい
- 今住んでる所から近くあってほしい
何よりも最優先だったのは防音室だ。私も妻も同じ吹奏楽団に入団しており、今もなお楽器を続けている。練習は週に1回なのだが、やはりもっと楽器に触れていたいと思い、家でも演奏ができたらいいねとよく話していた。小さくてもいいから防音室をつけていつでも楽器を演奏できる環境にしたかったのだ。ちなみに私はトロンボーン、妻はクラリネットだ。ドラムやグランドピアノなどではないので、高めの遮音性があればまかなえる。
家の設備に対する希望については妻はあまり持っていないようで、主に私があれこれ考えていた。当時住んでいた賃貸はLDKが17.5畳と広めだったので、これよりも狭くなってほしくはないという考えはあった。キッチンもカウンターやアイランドにあこがれていたのでできればそうしたかった。
先も書いた通り、夫婦ともども吹奏楽団に入っている関係で、練習場所からあまり遠くならないでほしいという考えから、今住んでいるところ周辺で土地を探すことにしていた。こういう建てた家に住む人からの希望を出してまとめておくことは大事だと思う。そしてそれに加えて重要なのはこれらの希望に対して優先順位をつけておくことである。予算の関係ですべての希望がかなえられるとは限らない。あらかじめ優先順位を決めておけば切りやすいというものだ。
間取りの計画はどうするか
間取りを計画するためには、現在のライフスタイルや新居でのライフスタイル、今後の家族構成なども考える必要がある。具体的には最終的に子供が何人ほしいかや、実家の親などが将来一緒に住むことになるかなど人員構成によるもの、洗濯のルートや帰宅後の家族が通るルートなど家の中の動線によるものなど細かく見ていけばたくさんある。
我が家の場合、私と妻、当時4歳の娘3人が家族構成員だ。この時点で2人目は厳しいだろうという考えもあり、とりあえずは3人での生活ということになる。夫婦で使う主寝室と子供部屋、楽器を演奏する防音室、それにLDKと和室あたりがあれば十分だろう。和室は客人が寝泊まりすることもあるだろうということでほしかった。普段は子供が遊ぶ部屋にする予定だ。
LDKをなるべく広く確保するため、風呂を2階にした方がいいかもしれないともうっすら考えていた。2階にバルコニーが付けば洗濯を干すのも2階になるだろうし、主寝室や子供部屋も2階だろうから洗濯周りがすべて2階で完結することになる。なかなか風呂2階の間取りプランが少ないのだが、不可能ではないはずなのでそのつもりでいた。
帰宅後の家族が通るルートと書いたが、我が家の場合主に子供に対するものだ。帰宅後、誰にも会わずに2階の自室に行けるか、それとも必ず家族のいるLDKを通らなければならないか。難しいところではあるが、親としては会話もなく部屋にこもることに抵抗があるので、リビングに階段を配置するようにする。
この家づくりを始めようとした段階でどこまで考えておくかだが、我が家はこの程度だったと記憶している。かなりおおざっぱな計画であったが、これでもちゃんと家は建つ。というのも、やはり自分たちがしらない設備があったり、「そんなこともできるのか!」といったことも、話を進めていけば出てくることがある。もちろん細かく決めてもいいし、我が家のようにざっぱでも構わない。これだけは絶対というものだけ認識していれば大丈夫だと思う。
細かく決めていくのであれば、今使っている家具を新居でも使うかどうかや、現時点でほしい家具があるか、リビングをどういう用途で使いたいか、玄関の方角、駐車スペースの場所、庭や家庭菜園スペースの有無、照明の種類や数、収納の数や広さ、家族それぞれのプライバシー、階段は直線がいいのかコの字やL字がいいのかなど挙げていけばきりがないくらいだ。細かく決めれば決めるほど打ち合わせはスムーズになる反面、予算や土地の関係で実現が不可能になったときのギャップが激しい。
我が家の場合は細かい間取りの配置(どの部屋がどこにあるかなど)は考えず、必要なパーツだけ考えていた。それがうまく収まるようにプロにお願いしようと思っていたのだ。我々素人ではわからないような構造面での問題もあるだろうし、逆に我々が思っているよりも広くなったりするかもしれないのだ。譲れない部分とお任せでいいところの区別こそ、大事な要素だと思う。
人員構成や間取り、設備の計画が整ってきたら予算についても考えていかなければならない。いくらでも用意できないのがお金であり、無尽蔵にあればそれはそれは希望をすべてかなえた家が出来上がるだろう。実際には用意できるお金やローンの限界などで泣く泣く削る設備が出てくるもの。次回は予算の計画について我が家での流れに沿って紹介したいと思う。
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